2011年7月15日金曜日

将棋の子



久々の読書です。
修士課程在学中は、読書は控えめにしておこうと思っているのですが
一つの夢を追うリスクを読んで
無性に読みたくなり、その日にアマゾンでポチって
届いた日に一気読みしてしまいました。

主人公は成田英二さん。
奨励会に入りますが、親が亡くなったこともきっかけになり
自らの才能に見切りをつけ別の人生を歩み始めます。
それが巡り巡ってサラ金の借金が返せなくなり
40歳になる頃には1日働いた給料が800円というような仕事をしていました。
著者の大崎さんはそんな成田さんに会い、それまでの成田さんの人生を聞きます。

それでも成田さんは誇りを持って生きていました。
それは自分は将棋が強かったということでした。
その誇りは生きるエネルギーになっていたようです。

プロの棋士になるには奨励会に入り
所定の年齢までに段位を取得できなければ退会しなければなりません。
奨励会に入るような方は、大体将棋しかしていないような方だそうで
それまでの努力が報われず退会することになると
本人にとっては悲劇です。
将棋が全てを奪った、という見方になってしまう人もいるようです。

しかし大崎さんは、将棋は優しい、将棋は人に与えるものがあると言います。
成田さんの持つ感情、成田さんと大崎さんの友情もそうです。

成田さんの厳しい人生をとても羨ましいとは言えませんが
彼の人生の中で出会う人の温かさは羨ましいものです。
また彼には自覚は無いでしょうが、逆境の中で生きる姿は感動的だとも思います。



私自身に置き換えて考えてみると
数学の勉強を直接役に立たせるということは難しいことですが
一生懸命勉強すれば、大崎さんが将棋に対して感じているように
私も数学を優しいと感じるようになるのかもしれません。


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